コラム

 公開日: 2016-09-09  最終更新日: 2016-09-22

労働契約法と労働基準法の違いとは

労働契約法とは労働者と使用者の間で結ばれる労働契約の基本原則を定めた法律です。平成20年(2008)3月施行されました。就業形態の多様化や個別労働関係紛争の増加などに対応するために設置された法律です。
一方、 労働基準法とは労働者の生存権を保障するために労働条件の基準を定めた法律をいいます。
労働基準法と労働契約法を比較すると、以下のような違いがあります。労働基準法は、強行法規として罰則により取り締まる性質をもちます。一方、労働契約法は、任意法規であり、罰則はなく、労使トラブルについては、労働審判などを利用し解決にあたります。
 すなわち、労働基準法は公法的要素が、労働契約法は私法的要素が強いのが特徴です。
両者では、労働者、使用者の概念も異なります。請負や委任で労務提供する者は、労働基準法では労働者に含まれませんが、労働契約法では労働者として扱うこととなっています。一方、使用者の概念は、労働契約法では、労働者と労働契約を締結する者を使用者としていますが、労働基準法では、人事部長など一定の管理監督者も使用者としています。労働基準法における使用者の概念が広くなっているのは、実態として労働者を指揮命令するものを取り締まり対象とするためであると思われます。
労務管理上の留意点として、労働基準法上では「労働者」とはされない請負関係で働く者も、労働契約法により保護対象となることから、経営者は、自社の従業員以外の関係についても留意していく必要があります。
また、契約は、民法の契約自由の原則を根拠に、合意を原則としていますので、労働契約の内容は、書面により確認し、労使それぞれが書面を保管するというような合意しているという根拠を残していくこともトラブルを回避するために大切なことです。
具体例を挙げれば、労働基準法では、労働条件通知書や雇入れ通知書という書面が有るのに対し、
労働契約法に基づく書面には、労働契約書が有ります。
前者の労働条件通知書や雇入れ通知書は、労働基準法の規定を重視した契約書になっているのに対し、後者の労働契約書は、労働契約法第4条をもとに、労使の当事者間の私法上の取り決めを成約
した諾成契約によることが特徴です。
労働契約法に罰則はありませんが、労働条件についてはトラブルとならぬよう真摯な態度で決定していくことが必要です。
 現在、労働契約法においての最大の論点は、労働契約法第18条の無期労働契約への転換と言えます。
 同一の使用者との間で、有期労働契約が通算で5年を超えて反復更新された場合は、労働者の
無期転換の申込により、無期労働契約に転換します。
 通算期間のカウントは、平成25年4月1日以後に開始する有期雇用契約が対象で、平成25年3月31日以前に開始した有期労働契約は通算契約期間に含めません。
 これは、最高裁判例で確立した「雇止めの法理」が、そのままの内容で法律に規定されたもので、一定の場合は、使用者による雇止めが認められないことになるルールです。
 尚、無期転換の申込をしないことを契約更新の条件とするなど、予め労働者に無期転換申込権を放棄させることは、民法90条の公序良俗に抵触することになります。
 労働者の方がご自身の身を守るには労働基準法を知るだけでなく、労働契約法も知っておくこ方がより望ましいと言えますので、ご興味のある方は勉強されてみてはいかがでしょうか?本日も最後までお読みいただきまして誠にありがとうございました。

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